家族が若年性認知症-前頭側頭型と診断されました

2017年、義母が60歳で若年性認知症と診断されました。

周りの人に認知症をどこまで伝えるべきか

家族が認知症となってから、周囲の人にどこまでそのことを伝えるべきなのかは難しい問題ではないでしょうか。

 

本人の症状の出方にもよるかもしれませんし、世間体を気にする人もいるかもしれません。

また普段から周りとどういう風に接してくるか、それは普段の暮らし方にも影響しているような気がします。

 

うちの場合は、『若年性認知症』と診断されてすぐ周りの方に伝えるようにしました。

 

①ご近所の方

うちの場合田舎なので普段から近所付き合いがあります。

道ですれ違えば挨拶をするのは当たり前だし、町内会の掃除でも顔を合わせます。

また義母は自宅でパソコン教室をしていて、それは認知症とわかったあとも続けています。その生徒さんには近所の方も多いし、知っていただく必要がありました。

 

②仕事関係の方

義母が県や市から頼まれている行政がらみの仕事で関わっている方にもお伝えしました。ボランティアもしていたので、そちらの方がたにもご連絡をし話をさせていただきました。

 

③身近な親族 

義母の兄弟や義父の妹にも会いに行き、症状と今後の見通しの話をさせていただきました。

    

 

 

 

 

周りに迷惑をかけることもあるし、周りの協力が必要なこともあるため、まず病気を知ってもらい、理解してもらうことが必要であり、そのためには早めの周知が必要なのかなと私は思います。

 

病名を伝えたところ、自ら進んでその病気を調べてくれた方もいます。

パソコン教室の生徒さんたちからは、社会とのつながりがあるほうがいいからと継続していくことを提案していただきました。

今まで義母がどういう人だったのかが大きいと思いますが、皆義母に対して見守ってくれようとしました。

 

また周りの方へ事情をお話しした際、普段私たちが知らない義母の様子を聞くことができました。それは義母がどういう風に生きてきたのか、どういう風に人と関わってきたのか、そしてどういう風に認知症の症状がでていたのかを教えてくれる貴重な機会でもありました。

 

話を聞いてみると、どうやら家族が異変に気付くよりも早い段階で仕事関係の方がたは義母の普段の様子の中であれ、おかしいなと思うことがあったということでした。

 

今まで出来ていたことが急にできなくなったり、人と協調すべきことが出来なかったり、話が通じにくくなっていたり。

義母自身が不安に感じているようだったということも聞きました。

 

認知症と診断される2年以上前から、義母自身は異変を感じていたのでしょう。

 

 

不安に思ってもそれをうまく言葉に出来ない。

私たちもおかしいとは思っていても、それが病気ということにまで結び付かない。

 

それが2~3年間あったんだと思うと、義母自身孤独だっただろうなと思います。

 

 

 

義母が認知症と診断されたことを伝えたあと、多くの方から『なんだかおかしいなと思っていた理由がわかってよかった』と言われました。

今までそんなこと言うような人じゃなかった、そんなことする人じゃなかった。

皆さん、はっきりとは言わないですがそういう風に思うことが何度かあったのだろうなと感じました。

 

だから義母が誤解されたまま、嫌われるようなことにならなくてよかった。

義母の本来の姿がゆがめられずによかったと、周りの方がたに伝えてよかったと私は思います。

 

 

 

認知症の症状が進み、今では大体の人が少し話しただけで義母の様子に気が付くようになりました。

周りの方がたが見守ってくれ、いまだに社会との関わりの中でいることが出来ているからか義母の症状は今のところ緩やかに進行中という感じです。

 

 

この状態がそう長く続かないことはわかっていますが、今の状態を少しでも長くキープできるようにしたいです。

 

認知症の見守りは家族だけではできないと思います。

長く、そして進行していく病気なので自分たちだけで抱え込まずその都度社会に投げかけることも必要なことだと思います。

『若年性認知症』に関しては福祉制度がまだまだ整っておらず、手探りの状況です。

だからこそ、周囲の方に助けてもらえるなら助けてもらいながら、少しでもいい状態を維持できる方法を探していければなと思います。

 

最後に周りの方がたの善意のお陰で義母も穏やかに暮らせています。

本当にありがとうございます。

 

 

 

 

 

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